以前、グラフィックボード(GPU)のおすすめはGeForce RTX 3060だという記事をお届けしました。一方でNVIDIA社のGeForceの最新世代は40シリーズとなっており、最新のPCに搭載されているGPUもそちらにシフトしています。
では40シリーズのおすすめGPUはどれなのかといったときに、まず挙げたいのがGeForce RTX 4050です。その理由は、以前おすすめした3060と同等のスペックで省電力、しかも価格も抑えられているから。この記事では、GeForce RTX 4050を搭載したゲーミングノートを紹介しながら、その魅力に迫っていきます。
【執筆者紹介】
畑野壮太
PC・ガジェットなどのジャンルを得意とするライター。GetNavi、ASCIIなどのメディアを中心に、執筆活動を行っている。自作PCを愛用しており、パーツはコスパ重視で選ぶ主義。数千時間プレイしたタイトルがあるほどのゲーマーでもある。
GeForce RTX 4050の実力とは?
冒頭に書いた通り、GeForce RTX 4050の魅力は3点あります。3060とほぼ同等なスペックなので幅広いゲームを快適に遊べるうえ、省電力性に優れ、上位モデルと比べて価格が安いという点です。順を追って説明していきましょう。
スペックは3060とほぼ同等
GeForce RTX 4050は3050および3050 Tiの後継となるGPUですが、世代を経たことで性能が上がり、3050の上位にあたる3060とほぼ同等のスペックを持つに至りました。インターネット上で公表されているベンチマーク結果を参照すると、グラフィックス性能は3060を微差で上回るスコアが記録されています。これを前提として、以前の記事で公開した主要なPCゲームの最低・推奨GPUの表を見てみましょう。
ゲームタイトル | 最低スペック | 推奨スペック | フルHD120fps出力に必要なGPU | 備考 |
原神 | GT 1030 | GTX 1060 6GB | 60fps制限があるため、60fpsを超える映像は出力不可 | |
マインクラフト with RTX | RTX 2060 | なし | RTX 3060 Ti | RTX 3060でも、100fps程度の出力は可能 |
Apex Legends | GT 640 | GTX 970 | RTX 3060 | |
モンスターハンターライズ | GT 1030 | GTX 1060 3GB | GTX 1650 SUPER | |
オーバーウォッチ2 | GTX 600 | GTX 1650 | RTX 3050 |
これを見ると、3060があれば、ここにあるすべてのゲームで推奨スペックを満たすばかりか、ほとんどのタイトルでフルHD120fpsの映像を出力できることがわかります。4050は3060と比べて同等以上の性能を持っていますから、4050でも上記のタイトルを快適に遊べるというわけです。ELDEN RINGのようなグラフィック負荷が非常に高いゲームを遊ぶと話は変わってきますが、PCゲーム全体で見ても、おおかたのタイトルは4050で十分快適に動作するといってよいでしょう。
省電力性に優れる
省電力性に優れるのは、GeForce RTX 40シリーズに共通する特徴です。3060と4050の消費電力の比較は、以下の通りです。
GPU | デスクトップ | ノートPC |
GeForce RTX 3060 | 170w | 60-115w |
GeForce RTX 4050 | 未発売(2023年6月1日時点) | 35-115w |
デスクトップ向けの4050が執筆時点で未発売のため、ノートPC向けGPUのみでの比較となりますが、上限はそのまま、アイドル時の消費電力が25w低下していることがわかります。
PCは長時間使うものですし、常にゲームをしているわけでもありません。ましてやゲーム以外の用途、たとえば仕事用にもゲーミングPCを流用するのであれば、GPU使用率の低い時間は増えるでしょう。そういった方にとって、GPUアイドル時の消費電力が低いことは有利になります。電気代の値上がりが続いている昨今、少しでも抑えたい光熱費。最新のPCを買うことには、こんなメリットもあるのです。
価格が安い
GeForce RTX 4050は、40シリーズのなかでもエントリークラスに該当します。価格は3060搭載モデルとほぼ同等です。3060はコストパフォーマンスに優れるGPUでしたが、4050にも同じ特徴があるといってよいでしょう。具体的には、ゲーミングノートでありながら税込価格が15万円を切ってきます。
ギガバイトのGeForce RTX 4050搭載ノートパソコンのおすすめモデルは?
ギガバイトのGeForce RTX 4050搭載ノートPCはすでに複数台が発売されています。ギガバイトのノートPCには、ゲーミングのAORUSとそのエントリーモデルにあたるG5、クリエイター向けのAEROの3シリーズがあり、そのいずれにも4050搭載モデルが出ています。ここでは、最もコストパフォーマンスに優れるG5シリーズから、4050を搭載した3台を紹介します。
G5の2023年モデルには複数の型番があり、4050を搭載しているのは下記の4機種です。
- G5 MF-E2JP333SH
- G5 MF-E2JP313SH
- G5 MF-F2JP333SH
- G5 MF-F2JP313SH
これらは4050を搭載しているという点では共通しているものの、CPUやメモリの搭載量が微妙に異なっています。下記の表をご覧ください。
型番 | CPU | メモリ(最大64GBまで増設可) |
G5 MF-E2JP333SH | Intel Core i5-12500H | 8GB×1 |
G5 MF-E2JP313SH | Intel Core i5-12500H | 8GB×2 |
G5 MF-F2JP333SH | Intel Core i5-12450H | 8GB×1 |
G5 MF-F2JP313SH | Intel Core i5-12450H | 8GB×2 |
これらの違いを細かく見ていきます。まずCPUについて。12500Hと12450Hは、コア数とスレッド数、動作周波数が異なっており、いずれも12500Hが上回ります。つまり、高性能です。どれくらいの性能差があるかというと、約20%ほど12500Hが勝ります。ゲームプレイにおけるCPU性能はGPUほど求められないので、プレイできるタイトルにこそ大きな違いはありません。しかし性能差ははっきりしているため、予算的に問題がないのであれば12500H搭載モデルを選ぶのがよいでしょう。
またメモリについては、16GB搭載モデルを強くおすすめします。というのも、複数のタスクを同時にこなす場合に、8GBだとどうしても不安なのです。たしかにゲームプレイだけであれば、ほとんどのケースにおいて8GBでも推奨スペックを満たします。しかし動画を再生しながらゲームをするなどの場合は、動作が不安定になるケースもありえますし、ましてやマルチディスプレイにしようともなれば、その影響はより大きくなります。
ただしメモリは後々の増設も可能なので、当初の予算をどうしても抑えたい場合は8GBモデルを購入し、足りないと感じた場合は増設するのもアリでしょう。幸い、8GB搭載モデルには空きスロットがあるので、メモリを1枚買い足すだけで対応できます。
下記に本機の雰囲気を写真で紹介します。ゲーミングノートらしからぬシンプルさが随所にあり、ゲーム以外の用途にも使いやすいといえます。実際この記事も、本機を使って執筆していますが、その操作感などに不満はありません。
そしてなんといっても本機の魅力は、ほとんどのモデルの税込価格が15万円を割っていること。ゲーミングノートを買おうとすると、10万円台後半〜20万円以上の価格帯になってしまいますから、このコストパフォーマンスは特筆に値します。低予算でゲーミングノートをお探しの方は、本機を候補に入れてみてはいかがでしょうか。